浮き彫りの表現方法のいろいろ
基本の形は同一平面上での表現となります。
同一平面上での表現とは、モチーフをバラとして説明すると、一つのバラという物を構成しているのは、花、蕾、葉、茎、棘、の5つの要素で構成されているわけで、構成している、それぞれの物の位置を同じ面で彫刻表現するのが基本の形なのです。
ただ、植物の場合は花が一番前に出ているのが良いデザインになるのかは別問題となるので、同一平面上の表現が基本=簡単という訳ではないのです。
このあたりの事が物作りの複雑な部分となるのでしょうね、解説に入ります。
久しぶりの図です。
A、B、C、それぞれの赤い部分が浮き彫りを表現されているところで、浮き彫りの基本形の断面図です。(実際の彫りはここから斜めに食い込ませる彫りを、何回も、何回も入れるので難しい彫りになるのです。)
例えば、Aがバラの花で、Bが蕾、Cは葉となるのです。バラではないのですが同一平面上の表現の作品を見てみましょう。
前にも紹介している『雨に打たれている、ゆり』です。
花、葉、茎が同じ面で彫刻され、その形を作っています。
(この作品が、私の一番好きな作品です。)
基本の形だからといって簡単であるわけでも、表現力が足りない訳でもありません。
この花の場合は、この彫り方が一番良い方法です。
制作途中の写真です。
立ち上げて(浮かして)雨ジヴレを入れ終わったところです。これから、それぞれの部分の彫りを入れていくのですが、このようなモチーフの場合は、花、葉、茎に、表現の高さの差をつけても・・・必要ないですね。
バラの浮き彫りの新作なのですが、基本形にするか、段差をつけるかでカットが止まっているブツです。
生地は10ミリぐらいある、特注の宙吹きのクリスタルガラスで、浮き彫り用に作ってもらった生地の最後の一本で、とても貴重な物なので・・・止まっています。
頼めば吹いて貰えるのですが、底ズリに出すのが(数が少ないと・・・)面倒なのです。
浮き彫り作品の宿命みたいな物で、分厚いガラス器は本当に少なくなりましたね、昔はどうやってコレを洗うの?と、いうような分厚いガラス器がたくさんありましたし、お皿も家庭用のシンクに入らない位の大きな皿が普通に売られていました。
最近は・・・浮き彫が出来る生地をさがすのが大変です。
前に紹介した茶碗、これらも基本形です。
基本形以外に彫りようもありませんが、ただ、ヒレを貼り戻すと段差をつけた表現になるのですね・・・
黒い茶碗はまだ酸洗いに出していないのです、酸洗いが終わりましたら、どのような変化がおきるのか紹介します。
次回も技(浮き彫りの段差について)です。
ワタベの技のテキストです。
このテキストとサンドブラスト彫刻の経験があれば、誰にでもワタベの技が自宅で習得できます。
彫刻ガラス・ワタベの技、沈め彫り、段彫り編。
逆レリーフ編は現在制作中です。
お問い合わせは、Glassワタベまで 。
彫刻ガラス ワタベ
趣味で楽しみたい方から、サンドブラスト作家希望の方まで、楽しみながらガラス彫刻が学べます。
“技、学びたければ教えます。”
被せガラス・多層被せガラス専門コースを創りました。
彫刻ガラス ワタベのあるところ
基本の技 初級 “沈め彫り”
中級“逆レリーフ”
色被せガラス “段彫り”
色被せガラスのグラスプランニング。
日本中のプロの作家が、お得意様です。
サンドブラストに関する、生地、機材(ブラスターセット)
サンドブラスト技法のテキスト。